Thunderbird と迷惑メール

大量の不快な、あるいは有害なメール (「スパム」または「迷惑メール」) に対処するため、Thunderbird には学習型の迷惑メールフィルターが搭載されており、ユーザーの操作による迷惑メールの判別を学習して自動的に迷惑メールフォルダーに移動します。

概要

Thunderbird の迷惑メール適応フィルターは、ベイズアルゴリズムに加え、ユーザーがメッセージに迷惑マークを付けることでデータを収集し、その学習データによって自動的に迷惑メールフォルダーへ移動します。ただし、このアルゴリズムを利用することは、以前迷惑マークを付けたメッセージに、将来も自動的に迷惑マークが付くことを保証するものではありません。必ず迷惑メッセージに分類したい場合は、下記の 手動でフィルターを作成する をご覧ください。

重要なメッセージを迷惑メールに分類しないようにするには、ホワイトリスト を利用してください。

また、迷惑メールの形式が日々変わることに対応するため、日常的に Thunderbird に学習させ続けることをおすすめします。Thunderbird に迷惑メールを学習させないでいると、適切に迷惑メールを判別することができません。

迷惑メールフィルターの設定

すべてのアカウントに共通の設定

迷惑メールフィルターは初期設定で有効になっており、メッセージに迷惑マークが付けられたときの共通の設定を変更できます。この設定はすべてのメールアカウントに適用されます (一部の設定は、下記のとおり、アカウントごとの設定 で上書きされます)。

  1. > 設定 > プライバシーとセキュリティ の順にクリックします。
  2. 迷惑メール まで下へスクロールします。お好みの設定に変更してください。
    TB91-preferences-privacy-security-junk-ja

アカウントごとの設定

各メールアカウント設定での迷惑メール設定は、上記の 共通の設定 を上書きします。

  • > アカウント設定 > あなたのメールアドレス > 迷惑メール の順にクリックします。
    TB91-account-settings-junk-settings-ja

Thunderbird の迷惑メールの学習を無効にするには

  • このアカウントで迷惑メールの学習を有効にする オプションのチェックを外してください。

ホワイトリスト

送信者が以下に含まれる場合は自動的に迷惑マークを付けない の下で、ホワイトリストとして利用するアドレス帳を選択できます。ホワイトリストのアドレス帳に含まれている送信者は、Thunderbird による迷惑メールの判別から除外され、自動的に迷惑マークが付けられることはありません。しかし、ホワイトリストのアドレス帳に含まれる送信者のメッセージであっても、手動で迷惑マークを付けることができます。

大切な人々からのメッセージに迷惑マークが付けられないようにするため、ホワイトリストのアドレス帳を指定しておくことをおすすめします。

迷惑メールフィルターの学習

迷惑メールフィルターを効果的に作用させるには、Thunderbird に迷惑メールと非迷惑メールのメッセージを 両方とも 学習させる必要があります。両方を学習させない場合、フィルターの効果が発揮されないでしょう。

また、迷惑メールを削除してしまう前に迷惑マークを付けておくことも重要です。削除するだけでは迷惑メールフィルターを学習させられません。

Thunderbird に迷惑メールを学習させる

メッセージにはいくつかの方法で迷惑マークを付けられます:

メッセージに迷惑マークを付けると、共通の迷惑メール設定アカウントごとの設定 で迷惑メールを別のフォルダーへ移動するように設定している場合、そのメールが メッセージリストペイン の現在のフォルダーから指定した迷惑メールフォルダーへ移動します。
Thunderbird の迷惑メールフィルターは、ユーザーが提供する学習データから学習するように設計されています。より多くのメッセージを 迷惑メール または 非迷惑メール としてマーク (下記参照) すると、学習データを追加することで迷惑メールフィルターの精度が向上します。

非迷惑メールの学習

時々、Thunderbird の迷惑メールフィルターが誤って 正当な メッセージを迷惑マークを付けることがあります。そのため、特に Thunderbird を新たにインストールしたばかりの場合は、「迷惑メールでない」メッセージをフィルターに学習させることも重要です。

注記: 定期的に迷惑メールフォルダーを開き、誤って迷惑メールに分類された 正当な メッセージがないか確認してください。メッセージの受信数に応じて、初めは毎日、次の週からは毎週確認するとよいでしょう。これにより、正当なメッセージが正しく判定されるようになり、将来のフィルターの精度が向上します。

メッセージには、いくつかの方法で 非迷惑 のマークを付けられます。

  • メッセージペイン 内のメッセージヘッダーの下に表示される黄色の迷惑メール通知の 非迷惑メール ボタンをクリックする:
    TB115-message-pane-junk-notification-not-junk
  • メッセージリストペイン迷惑メール 列の赤色の迷惑メールアイコンをクリックして、メッセージの迷惑メール状態を切り替える:
    TB115-thread-pane-unmark-junk-column
  • または、キーボードの Shift + J キーを押して、1 通以上の選択したメッセージに 非迷惑 のマークを付けます。
メッセージの迷惑マークを外すと、メッセージが現在の (迷惑メール) フォルダーから元のフォルダーへ移動します。このフォルダーは、迷惑マークが付けられる前にメッセージが置かれていた場所です。

繰り返し学習させる

受信トレイ および 他のフォルダーに分類された多くのメッセージについて、多くの 正当な メッセージを非迷惑メールとしてマークし、定期的に フィルターを学習させてください。この場合、非迷惑 ボタンがすでに迷惑マークの付いたメッセージにしか表示されないので、代わりにキーボードショートカットの Shift + J キーを押して (迷惑メール解除の) マークを付けてください。週にいくつかのメッセージにマークを付けるだけで効果があるでしょう。一度に多くのメッセージを選択して同時にマークを付けることもできます。

ただし、残念ながら「非迷惑」マークが付けられたかどうかを示すユーザーインターフェイスはありません。

不要なメッセージをブロックするその他の方法

Thunderbird の適応型迷惑メールフィルターは、特定のアドレスや特定の種類のメールに対して絶対的なブロック機能を持つものではありません。次の方法で、不要なメッセージを停止する強力な機能が利用できます。

手動でフィルターを作成する

手動で次のことができます:

外部フィルターサービスを利用する

外部フィルターサービスを利用して、メールの分類と迷惑メールのブロックができます。

  1. > アカウント設定 > あなたのアカウント > 迷惑メールフィルターの設定 を順にクリックします。
  2. 次の迷惑メールヘッダーを信用する オプションにチェックを入れます。
  3. ドロップダウンメニューから外部フィルターサービスを選択します。
    TB115-Trust_junk_mail_headers_set_by

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