Thunderbird のアカウント設定でエンドツーエンド暗号化を設定する方法を紹介します。より総合的な紹介はこちらの記事 Thunderbird におけるエンドツーエンド暗号化の紹介 も確認してください。
メールでエンドツーエンド暗号化 (e2ee) を使用するには、適切な暗号鍵を所有し、Thunderbird のアカウント設定で正しく設定する必要があります。一連の設定をすることで、この機能を使用する準備ができているか確認することができます。
設定完了までのステップは、使用するエンドツーエンド暗号化技術によって異なります。どちらか一つを設定することも、両方設定することもできます。メールアドレスに直接依存するため、アカウントと差出人情報ごとに設定します。
自分の OpenPGP を設定する
既に OpenPGP を使用している人と暗号化されたメッセージのやり取りをしたい場合、あなたの OpenPGP 個人鍵を用意する必要があります。Thunderbird はあなたのメールアドレスを含むラベルのついた秘密鍵と公開鍵の組み合わせを鍵ペアとして扱います。
Thunderbird で OpenPGP 鍵を作成したことはなくても他の OpenPGP ソフトウェアを使用したことがある場合、秘密鍵を所有していることがあります。そのソフトウェアでバックアップ/エクスポート書き出し 機能を使用して秘密鍵をファイルとして保存し、Thunderbird にインポートして読み込んで ください。
Thunderbird 68 以前で Enigmail アドオンを使用していた場合、Enigmail の複数のバージョンでは秘密鍵を確認せず自動的に作成するため、既に秘密鍵が存在する場合があります。自動作成された秘密鍵がコンピューターに残っている場合、GnuPG ソフトウェアを使用して回復を試みることで最新の Thunderbird で再利用できるかもしれません。(関連する内容が OpenPGP in Thunderbird - HOWTO and FAQ にあります。)
他のソフトウェアで OpenPGP 鍵を作成したことがない場合や鍵を再利用したくない場合は、Thunderbird のアカウント設定の タブで作成できます。
ボタンをクリックすると、鍵のインポート読み込み と作成のどちらかを必要に応じて選択できます。
読み込んだインポートした鍵が次の要件を満たした場合のみ、アカウントの個人鍵として選択できます:
- 鍵が有効期限内である
- 鍵が失効していない
- 鍵がデジタル署名と暗号化の両方に使用できる
- アカウント設定のアカウントまたは差出人情報のメールアドレスと一致するアドレスが鍵のユーザー ID に含まれている
鍵を選択したら、OpenPGP によるメールセキュリティの設定は完了です。
自分の S/MIME を設定する
既に S/MIME を使用している人と暗号化されたメッセージのやり取りをしたい場合、あなたの個人メール証明書鍵を用意する必要があります。
S/MIME メール暗号化技術は証明書認証局 (CA) と呼ばれる信頼できる第三者のサービスに依存しており、そこから証明書を取得して Thunderbird にインストールし、設定する必要があります。
通常、メールの受取人は自己署名証明書を許可しないため、自分で証明書を作成することは推奨されません。
一般的に次のようなステップで個人証明書を CA から取得できます:
- 新しい暗号鍵 (公開鍵と秘密鍵のペア) を作成する
- Thunderbird が対応している CA に公開鍵を送信する
- CA がシステム上で公開鍵に署名し、証明書の作成に必要なデータを追加する
- CA が証明書を返送する
- 受け取った証明書と先に作成した秘密鍵を組み合わせ、個人証明書を作成する
- Thunderbird の証明書マネージャーを使用して、個人証明書をインポートする読み込む
- Thunderbird のアカウント設定でエンドツーエンド暗号化を開き、そのメールアカウントで使用したい証明書を選択する (Thunderbird は個人証明書のみ有効と判断し、選択できるようにします)。暗号化とデジタル署名に使用する証明書を選択してください。
Thunderbird の最近のバージョンでは、S/MIME の新しい鍵ペアの作成をアシストできません。外部のソフトウェアを使用してください。 いくつかの CA では、自動的に鍵ペアを作成して利便性を向上させています。あなたの個人証明書に使用される秘密鍵が CA のコンピューターで作成される可能性があり、これは好ましくありません。誰かが秘密鍵のコピーを取得して保管していると、あなたに送信される暗号化されたメッセージが復号されるリスクがあります。
自分のセットアップをテストする
セットアップを完了したら、テストすることをおすすめします。暗号化とデジタル署名したメールを自分宛に送ってみましょう。まず、メールを新規作成してください。もし複数のアカウントや差出人情報がある場合、新規作成ウィンドウウインドウ 上部の差出人アドレスに、エンドツーエンド暗号化のセットアップが完了したアカウントが表示されていることを確認してください。
次に、同じメールアドレスを宛先のアドレスフィールドにも入力します。また、テスト用の件名とメール本文を追加してください。次に、暗号化を有効にします。(Thunderbird 102 では、ツールバーの ボタンで簡単に設定できます。より古いのバージョンでは、ツールバーの ボタンの横にある矢印をクリックして、 を選択してください。) これで、メールを送信します。受信トレイ戻って新着メッセージを取得すると、いま送信したメッセージを受け取るはずです。メッセージヘッダー領域には S/MIME または OpenPGP の適切なラベルがついていて、クリックすると詳細情報が表示されるはずです。
自分の公開鍵や証明書を配布する
他の人にあなたへ送信するメールを暗号化してほしい場合、相手があなたに公開鍵の送信を依頼してくるのを待つのはおすすめしません。
もっと積極的に、相手がメールを暗号化して送信しようとする人があなたの公開鍵や証明書を簡単に取得できるようする方法があります。簡単なのは、デジタル署名したメールを送信することです。
OpenPGP 技術を使用してデジタル署名したメールを送信する場合、デジタル署名が技術的に有効なものであることを検証するためには公開鍵が必要なため、Thunderbird は公開鍵のコピーの小さな添付ファイルを常に自動的に追加します。
S/MIME 技術を使用してデジタル署名されたメールを送信する場合、証明書は常に含まれています。
アカウント設定から、送信するメールに常にデジタル署名を有効にできます。(メールにデジタル署名すると、メールをあなたが送信したことを簡単には否認できなくなることに注意してください。)
もう一つの OpenPGP 公開鍵を提供する方法は、鍵サーバーを使用することです。鍵サーバーは https://keys.openpgp.org/ で利用可能で、(OpenPGP 開発者コミュニティによって運営されており) 公開鍵を配布するよい選択肢です。Thunderbird 78、91、102 では、未取得の公開鍵をオンラインで検索するとこの鍵サーバーを使用します。
公開鍵を公開するには、Thunderbird のアカウント設定または Thunderbird の OpenPGP 鍵マネージャーなどで鍵をファイルに書き出すエクスポートする必要があります。操作を間違えないように注意してください。他の人に共有する鍵のコピーを準備するときは、公開鍵に関係する項目のみ操作します。絶対に秘密鍵を共有しないでください!
公開鍵を含むファイルを用意したら、ウェブサイトにファイルをホストするなど、ファイルを共有できるさまざまな方法を使用して配布できます。