ご所属の組織でプライベートな認証局 (CA) を使用して内部サーバー向けの証明書を発行している場合、これらのプライベートな証明書を読み込む構成に設定されていないと、Firefox などのブラウザーでエラーが表示されることがあります。これをあらかじめ設定しておけば、組織内のユーザーがウェブサイトへのアクセスで問題を抱えることがなくなります。
これらの認証局証明書 (CA 証明書) は、以下のいずれかの方法で追加できます。
目次
Windows、macOS、Android の組み込みサポートを使用する (推奨)
既定で、Windows、macOS、Android 版の Firefox は、オペレーティングシステムの証明書ストアに追加されたサードパーティの CA を検索して利用します。そのため、オペレーティングシステムが組織のプライベート CA を信頼するように設定されている場合、Firefox は追加の設定を必要とせずにそれらの CA を信頼します。この機能は、about:preferences の タブにある インストールしたサードパーティのルート証明書を Firefox に自動的に信頼させる のチェックボックスで制御できます。あるいは、about:config の security.enterprise_roots.enabled 設定でこの機能を制御します。
Windows エンタープライズサポート
Firefox は、ユーザーやシステム管理者によって Windows 証明書ストアに追加された認証局を自動的に検索してインポートするよう構成できます。
- アドレスバー に about:config と入力し、EnterReturn キーを押します。
警告ページが表示されます。 をクリックし、about:config ページを開いてください。 - security.enterprise_roots.enabled の設定を検索してください。
- この設定の横の 切り替え
ボタンをクリックして値を true に変更してください。
- Firefox を再起動します。
Firefox が HKLM\SOFTWARE\Microsoft\SystemCertificates レジストリーの場所 (API フラグ CERT_SYSTEM_STORE_LOCAL_MACHINE に対応) で、TLS ウェブサーバー認証のために発行された証明書に信頼されている認証局 (CA) を調べます。このような CA は Firefox にインポートされ、信頼されますが、Firefox の証明書マネージャーには表示されません。これらの CA の管理は、Windows 組み込みのツールや他のサードパーティのユーティリティを使用して行う必要があります。
Firefox は、HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\SystemCertificates\Root\Certificates および HKLM\SOFTWARE\Microsoft\EnterpriseCertificates\Root\Certificates のレジストリーの場所も検索します (それぞれ、API フラグ CERT_SYSTEM_STORE_LOCAL_MACHINE_GROUP_POLICY および CERT_SYSTEM_STORE_LOCAL_MACHINE_ENTERPRISE に対応)。
macOS エンタープライズサポート
この機能は、macOS システムの鍵チェーンで見つかったルートを読み込むことにより、macOS でも動作します。
ポリシーを使用して CA 証明書をインポートする
エンタープライズポリシー を利用して Firefox に CA 証明書を追加できます。
- ImportEnterpriseRoots キーを true に設定すると、Firefox はルート証明書を信頼するようになります。このオプションで Firefox にプライベート PKI の信頼を追加することを推奨します。これは、上記の Windows、macOS、Android の組み込みサポートを使用する (推奨) のセクションで説明されている security.enterprise_roots.enabled の設定と同等です。
- Install キーは、既定で以下の場所にリストされた証明書を検索します。完全修飾パスを指定できます (こちらの例 を参照)。Firefox が完全修飾パスで何も見つけられない場合、既定のディレクトリーを検索します:
- Windows
- %USERPROFILE%\AppData\Local\Mozilla\Certificates
- %USERPROFILE%\AppData\Roaming\Mozilla\Certificates
- macOS
- /Library/Application Support/Mozilla/Certificates
- ~/Library/Application Support/Mozilla/Certificates
- Linux
- /usr/lib/mozilla/certificates
- /usr/lib64/mozilla/certificates
- Windows
Linux
Linux で p11-kit-trust.so を使用する
証明書は、p11-kit の p11-kit-trust.so を使用してプログラムでインポートできます。これは、/etc/firefox/policies/policies.json で SecurityDevices ポリシー を設定し、システム内の p11-kit-trust.so の場所を指すエントリーを追加するか、設定のセキュリティデバイスマネージャーから手動で追加するか、modutil ユーティリティを使用することで行えます。
証明書データベースをプリロードする (新しいプロファイルのみ)
一部のユーザーは、Firefox で新しいプロファイルを作成し、手動で必要な証明書をインストールし、さまざまな .db ファイル (cert9.db, key4.db, secmod.db) をこの方法で新しいプロファイルに配布します。これは推奨されるアプローチではなく、この方法は新しいプロファイルに対してのみ機能します。
Certutil
certutil を使用して、コマンドラインから Firefox の証明書データベースを更新できます。詳しい情報は、Microsoft サポートサイト を参照してください。